テニスの王子様は、無我の境地前、無我の境地後という表現ができるほど、テニスの王子様のテニスを変えてしまった。ただ、無我の境地がさらにテニスの王子様のテニスの可能性を広げたのだ。その無我の境地とはいったい、どのようなものなのか…?
無我の境地(むがのきょうち)とは?
己の限界を超えた者だけが踏み入れることのできる境地、それが無我の境地。無我の境地の状態になると、オーラのようなものを発し、過去に戦った相手の必殺技などを無意識に使うことができる。反応速度や筋力などは実力以上に上昇し、プレースタイルも不規則に変化する。
この状態では、無意識のまま激しいプレーをし続けるため、体力の消耗も激しく、自身で制御することができない。
ただし、無我の境地の奥には、三つの扉が存在する。
その三つの扉とは、才気煥発の極み、百錬自得の極み、天衣無縫の極みだ。
無我の境地が使える人は?
越前リョーマ、手塚国光、切原赤也、真田弦一郎、千歳千里、幸村精市の6名が、無我の境地を使うことができる。
無我の境地が活躍した名シーン
無我の境地の初登場シーン。このシーンは、テニスの王子様史上最もワクワクしたシーンの一つではないだろうか?誰もがいつか見たいと思っていた、越前リョーマと切原赤也の戦い。
「俺にも本当のテニスってやつ、教えてくんない?」
「高くつくかもよ…越前リョーマ」
というやり取りで、この夢のようなマッチが始まる。
最初に押し始めたのは切原。目が充血し始め、リョーマを圧倒する。右膝は集中砲火を浴び、リョーマは限界に近づく…。その時、リョーマはこれまで対戦してきた強敵などが走馬灯のように駆け巡る。リョーマの中に、何かが起こり、激しいオーラのようなものを発する。そして、英語を話しながら、過去のライバルたちの必殺技を繰り出し、切原を圧倒する。まさに覚醒だった。
そして、越前リョーマの無限の可能性にワクワクが止まらない、名シーンであった。
ちなみに、アニメ版ではアニメが原作に追いつきそうなこともあって、無我の境地を使った越前が真田を今までの対戦相手の技で追い詰める熱い展開となった。「真田も無我の境地は使えるだろう!」とか言ってはいけません。
初期のアニプリの真田は風林火山も使えないほどキャラが固まっていなかったので。
無我の境地の魅力とは?
越前リョーマの魅力は、父親である越前南次郎ゆずりの無限の可能性だ。そのポテンシャルをどう発揮するかが、このテニスの王子様の物語の中核でもあったと思う。その答えの一つが無我の境地であり、その奥の扉であり、最終的には天衣無縫の極みへと繋がっていく。
テニスの王子様の主人公越前リョーマには、全国の猛者達がこれでもかという程、襲い掛かってくる。戦いはどんどん厳しくなっていく。その中でも、テニスを楽しめるかどうか。そこに全てがかかってくる。それこそが無我の境地であり、その奥の扉の天衣無縫の極みだ。
これは、テニスだけでなく、人生にも言える。仕事を楽しめているか、生活を楽しめているか、人生を楽しめているか。そのシンプルだが最も大切である問いに気づかせてくれるのが、この無我の境地の最大の魅力だ。
ちなみに、ドラゴンボールで身勝手の極意が出た際は、「無我の境地っぽい」と話題になったが無我の境地自体は仏教用語なので、テニプリが初ではありません。