スポーツの世界では、球に様々な変化をつけることで戦略を立てる場面が多々あります。
野球でも、投手が変化球と呼ばれる球を使用することで、打者との駆け引きをよりスリリングにしていますが、その野球の球種の一つに「ナックルボール」と呼ばれる球があることを、ご存じでしょうか?
ナックルボールとは、ボールの回転を抑えることで、打者の元に到達するまでに不規則に変化して落ちる球のことです。
不規則に変化するため、この球種に翻弄されてしまう打者は多いです。
テニスの王子様においても、このナックルボールと同様の握りをする「ナックルサーブ」と呼ばれるサーブがあります。
ナックルサーブとは?
ナックルサーブとは、野球の球種であるナックルボールと同様の握り方でトスを上げ、コート上にバウンドした後、本人以外にはどこに向かって跳ね上がるか予測不可能なサーブのことです。
そもそもナックルボールの握り方とは、ボールの縫い目に指がかからないように親指と小指でボールを挟み、人差し指、中指、薬指を折り曲げ、爪を立てた状態のことを指します。
この握り方をすることで、予測不可能で不規則な変化を生むことができます。
ナックルサーブが使える人は?
この技を主に使用している選手は、立海大付属中学校2年の切原赤也です。
しかし、通常時の切原がこの技を使用することはなく、使用するのは、切原が赤目モードとなった場合に限ります。
この選手の他にも、作中では以下2人の選手が使用しています。
①青春学園中等部3年 不二 周助
②青春学園中等部1年 越前 リョーマ
ただし、非常に危険なサーブであるため、この2人がこのサーブを使用することはほとんどありません。
ナックルサーブが活躍した名シーン
名シーンとして紹介したいのは、関東大会決勝のシングルス2の切原対不二の試合です。
この試合を挙げた理由は、赤目モードとなった切原の残酷さを表現するため、試合の中でナックルサーブが初めて描かれたためです。
また、この試合によって、切原の勝利への執念の凄まじさを感じることができますので、そういった視点でもこの試合を楽しんでもらえればと思います。
ナックルサーブの魅力とは?
このサーブの魅力は、前述したとおりどこに向かって跳ね上がるか予測不可能な点ではないでしょうか。
予測不可能という時点で、そもそも相手選手は戦略の立てようがないため、自分が優位な立場で試合を進めることができます。
ただし、相手に向かって跳ね上がることが多々あるため、多用してしまうと、スポーツマンシップの精神に反することになるのではないかと考えられます。
そうは言ってもテニスの世界において、強力なサーブを持つことは強くなるために必要な要素の1つであるのかもしれません。