この記事を読まれている方は、人間や動物がこの世界を感知するための感覚機能「五感」を知っていますか?
人間の感覚機能は昔から5種類に分類されており、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」がそれに該当します。
どの機能も生きていく上で大切な機能であるため、この機能のどれかが欠けてしまうと、不安な毎日を過ごすことになるかと思います。
じつは、いま説明したこの機能を奪ってしまう「五感剥奪」と呼ばれる技が、テニスの王子様の作中に登場します。
五感剥奪(ごかんはくだつ)とは?
五感剥奪とは、試合の対戦相手の打球を無駄なく完璧に打ち返し、なにをやっても無意味であるという気持ちを相手に持たせ、心理的に優位に立つことで徐々に相手の五感を奪うことです。
五感剥奪(ごかんはくだつ)が使える人は?
この技を使用するのは、作中では立海大付属中学校3年の幸村精市のみです。
この選手は、「神の子」と呼ばれており、全国大会決勝まで1度も負けていないのは当然として、1ゲームすら落としていません。
まさに、中学テニス界で最強の選手であるといえるでしょう。
五感剥奪(ごかんはくだつ)が活躍した名シーン
名シーンとして紹介したいのは、全国大会決勝のシングルス1の幸村対越前の試合です。
この試合を挙げた理由は、幸村の試合が初めて作中で描かれ、かつ完璧すぎるテニスをすることで、相手の五感を奪うという展開に衝撃を受けたためです。
五感剥奪(ごかんはくだつ)の魅力とは?
この技の魅力は、五感を奪うことで、相手選手に対して「イップス」を任意で起こすことができる点です。
イップスとは、精神的なことが原因で、スポーツの動作に支障をきたし、思い通りのプレーができなくなってしまう症状のことです。
元々はゴルフで使用されていた用語でしたが、後にスポーツ全般で使用されるようになり、現在ではスポーツ以外でも使われています。
テニスで例えると、サーブを100%成功させていた選手が、ある日突然サーブがまったく入らなくなるなどの症状が挙げられます。
また、厄介な点としては、前述したとおり精神的なことが原因で発症する病気であるため、すぐに効く薬は存在しません。
克服できるかどうかは本人次第であり、克服したとしても再発する可能性が十分考えられるため、完治するのが難しい病気となります。
そのため、イップスが原因で、スポーツを職業として活躍していたプロ選手が、引退に追い込まれたケースが数多く存在します。
それを任意で起こすことができる幸村は、とても恐ろしい選手といえるでしょう。